あなたにおくる最後の言葉

弔辞など故人に向けた言葉を集めました





山下達郎さん服部克久氏を番組中に追悼

山下達郎さんが『サンデーソングブック』2020年6月14日放送の番組中に、服部克久氏への追悼の言葉を述べた。

---------------------------------------------------------------

服部克久さんがお亡くなりになりました。享年83歳。

服部さんは作曲家であられると同時に、日本の最高峰の編曲技術を持った方でありました。

私は、33年ぐらいお世話になっております。

たくさん仕事させていただきまして、たくさん助けていただきました。

まりやの場合は、さらに長くて40年のお付き合いになります。

竹内まりやの「駅」は、あの服部さんのストリングスのラインなしには決して語れないトラックであります。

本当に、人間的にも音楽的にも、いろんなことを教えていただきました。

本当にいい方でした。

お若い時には、かなり厳しい面もおありの方だと伺っておりますけど、私には本当に優しくしていただいて、たくさん思い出が残っております。

一番、私にとって思い出深いのは、クリスマスアルバム「シーズンズ・グリーティングス」でありまして。

本当に、がっぷり四つで、毎日服部さんのお家へ伺って、ディスカッションしながら作り上げた作品であります。

21世紀に入りましても、本当に色々な所でお世話になりました。

「希望という名の光」のストリングスも素晴らしいラインであります。

今日は、そんな中から1曲。
私の、とり分けお気に入りの作品であります、2005年に出しましたシングル 「Forever Mine 」

これのストリングスアレンジを服部さんにお願いしまして、ロンドンに行きまして、アビーロードのスタジオで録りました。

本当に思い出に残る一作でございます。

もうあのストリングスが聞けないのかと思うと、感慨無量のものがございます。

でもお父様の服部良一さんは、75歳で曲がお書きになれなくなって引退されたんですけども、服部さんは、直前までお仕事をされていたと。

インスピレーションと集中力が途絶えなかったという、その意味ではですね、お幸せな人生だと思います。

心よりご冥福をお祈りしつつ。