あなたにおくる最後の言葉

弔辞など故人に向けた言葉を集めました





栗田貫一さんからモンキー・パンチさんへの弔辞

 

 先生、突然のことで驚きました。

 今でも現場に伺うと先生にお会いできるような気がしています。

 本日は漫画界、各界の著名な方々と交流があった、モンキー先生のお別れの会、私が弔事という大役は重すぎるのではないかと、1度お断り申し上げました。

でも、24年前、先生が大切なルパン三世を、おまかせ頂いたときも、そんなルパン三世なのでできるわけがないとお断りをしたところから、始まったことを思い出します。

今もまだ、とても大役をこなしているとは思えませんが、きっと先生が、お導き頂いたと思って、この場に立たせて頂いています。

 先生はいつも笑顔でした。初めてお会いしたそのときから、ずっと変わらず、穏やかで優しく、温かく、(遺影の)お写真のような顔で笑っていらっしゃいました。「いいですねぇ」と、声をかけてくださいました。

 ルパン三世という大役を山田康雄さんから引き継いだときは、さまざまな方面からお批判の反応がありました。

 そんなとき、「何も心配しなくていいですよ。そのままでいいですよ」と、おっしゃって頂いたことを思い出します。

 先生に本当に守られてきたからきょうまで続けられてこれたんだと思います。先生のすべてを受け入れるその懐の大きさは、ルパン三世そのものではないかと思います。

 この数年、毎年、お生まれになった故郷の北海道・浜中町へルパン三世のイベントでご一緒させて頂きました。

 町の幼馴染のみなさん、関係者のみなさま方とお酒を頂いたり、おいしい食事を頂きました。先生と、先生の子供のころの話を聴かせて頂きました。

 先生の初恋の女性が峰不二子のモデルだったんだよって、おっぱい大きくてね、綺麗な人なんだよって。『じゃあ先生、その人に会ってみたい?』と聞いたら、先生は「会わない方がいいよ」っておっしゃってましたね。

 いろんな話をして頂きました。後のことは僕の胸の中に収めようと思っております。

 どうぞこれからもルパン三世を見守っていていてください。

 モンキー・パンチ先生、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

 

ルパン三世 栗田貫一

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2019年6月14日『モンキー・パンチ先生を偲ぶ会』 東京・青山葬儀所