あなたにおくる最後の言葉

弔辞など故人に向けた言葉を集めました





伊藤蘭さんから田中好子さんへの弔辞

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スーさん、あなたが旅経つ時、1人で寂しくないように、ミキさんと一緒にあなたの名前を何度も呼びました。

わたしたちの声はちゃんと届いていましたか。

時間が経つほどに、大切な人を失った悲しみと寂しさがこみ上げてきて、今わたしたちはとても困惑しています。

お互いにまだ幼い中学生だった頃に出会い、キャンディーズを通して、喜びも悲しみも共に分かち合い、素晴らしい青春時代を過ごすことができました。

スーさんはいつも春のように優しい微笑みでわたしたちを包み、和ませてくれましたね。

その後の女優としての活躍は言うまでもなく、良い仕事をたくさんして多くの人たちに感動を与えてくれました。

体のこと打ち明けられたときはなぜスーさんがと、悔しい気持ちでいっぱいでした。

本当はつらいはずなのに、いつも3人で会うときは「笑うことが一番の薬なのよ」って言って明るく楽しい時間を過ごし、反対にわたしたちのほうが励まされていたような気がします。

3人の中では一番年下で甘えん坊だったスーさんが、いつのまに強く頼もしく、心豊かな女性になっていたことに驚かせられた。

お見舞いに行ったときも、体調がおもわしくないにもかかわらず、私たちを気遣い、いつものようにユーモアを忘れない本当にかわいいスーさんでしたね。

愛情いっぱいのご主人、一雄さんやスーさんが一番気にかけていたお父さん、お姉さん、そのご家族、そしていつもそばに寄り添っていたマネジャーの気持ちを思うととても胸が傷みます。

わたしたちはみんな大好きなあなたの笑顔を、そして最後まで病気と闘い立派に生き抜いたその勇気を決して忘れることはありません。

それを支えになんとか頑張って生きていかなければと自分に言い聞かせています。

どうぞ私たちのことを見守っていてくださいね。

ただ、もう一度だけでいいから3人で会いたかったです。

約束していたのに果たされなかったのが残念でなりません。

だから今はまださよならは言わずにいきますね。

いつか会える時までもう少しだけ待っててね。

これからは今までの心配や不安から解き放たれて、
どうかゆっくり休んでほしいと思います。

ミキさんと私にとっていつまでも特別な存在のスーさん。
心から感謝しています。

ありがとうスーさん。

ずっとずっと愛しています。 

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2011年4月26日 東京・青山葬儀所にて葬儀・告別式