あなたにおくる最後の言葉

弔辞など故人に向けた言葉を集めました





阪神タイガース 金本監督から星野元監督への弔辞

 

広島出身の僕を、地元の広島でプレーしている僕を、本当に強引にタイガースに呼んでいただいて、そのおかげで2003年、あの感動の優勝を味わうことができました。
本当に阪神ファンを喜ばせたいという思いと、星野さんを胴上げしたいという思いと、ただ、それだけひたすらに頑張って勝ち取った優勝だと思っています。
僕と星野さんは1年しか一緒にプレーしていませんが、僕がその後、タイガースで選手をずっと続けていても常にけがをしたときは『大丈夫か』。
フルイニングが途切れたときも『それから、今から大事だ。お前の姿、振る舞いをみんなみているから』と電話をしてくださいました。
引退するときも電話をいただきまして、『まずはゆっくりしろ』と。
『すぐにユニホームを着ろ』とアドバイスをいただきました。
私が監督の要請をされたときにかなり迷って、どちらかといえば消極的だった自分ですが、『とにかく、やれ』『チャレンジしろ』と。
『俺でもできたんだから、お前でもできる』と。『いやいや、いやいや』。何回か電話でそういうやりとりをしました。
最後は選手時代のFAのときと同じように半ば強引に『やれ、ユニホームを着ろ』の一点張りでした。
そして僕が監督に就任してからも楽天の副会長をされている立場でありながら、常に心配してくれてチーム作りのアドバイスをしてくれたり、ほめてくれたり、マスコミを通じてすごくサポートをしていただきました。
最後に会ったのは殿堂入りのパーティーのときですが、常に『どうだ。どうだ』『あの選手はどうだ? 使えそうか? あとどれぐらいかかりそうだ?』とかずっとそんな話ばっかりです。
何度か星野さんの期待に応えられるように、私もタイガースで強いチームを作っていきたいと思います。
僕と星野さんとの間の3つ目の夢であるタイガースでの優勝。
1つ目の夢は2003年、僕がタイガースにきて星野さんを胴上げするという夢はかないました。
2つ目の夢はなんとか楽天で日本一になってほしい。
中日とタイガースでなし得なかった日本一、日本シリーズでの優勝を達成してほしい。
これが2つ目の夢でした。
先程いいましたように3つ目の夢が僕がタイガースで優勝して胴上げしてもらうところを星野さんにみてほしかったです。
もうそれはかなわぬこととなってしまいましたけど。
どうしてもなんか…優勝して『よくやったな』という言葉をやっぱ…かけてほしかったです。
今年選手たちとともに頑張って、必ず優勝しますので、天国から『よくやったな』という言葉をかけてください。
そして、ウイニングボールを墓前に供えにいきますので待っていてください。
本当にタイガースに呼んでいただいて、ありがとうございました。
しっかり、島野さんとともにタイガースを応援してください。
以上で私の弔辞とさせていただきます。

 

2018年3月28日 ハービス大阪にて「お別れ会」