あなたにおくる最後の言葉

弔辞など故人に向けた言葉を集めました





YOSHIKIさんからHIDEさんへの弔辞

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hide、今でも覚えているかな。最初に出会った日のこと。
お互いに自己紹介もせず、前からの知り合いのように自然に話し始めたね。
「俺、hide。サーベルタイガーやってるんだ」
「俺はYOSHIKI。Xってバンドやってるんだ」
いつか親友という言葉がふさわしい仲になっていた。
いつか一緒にバンド組むだろう、そんな予感がしていた。
PATAとTAIJIに加え同級生のTOSHIがそろって、あとはhideの加入を待つだけだった。
そんなとき、hideが言った。「YOSHIKI、俺、音楽やめる」
「ね、俺と組もうよ」と誘うと、いくつものバンドからの誘いを断っていたhideが素直に「俺、やるよ。今日から俺もXだ」
そんな言葉に、ひとつだけ約束した。
「どんなことがあっても、その決断を後悔させない」と。
その後は命がけだった。
楽な道ではなかった。
世間には、こんな髪も染めた派手な格好のバンドはまだいなかった。
どんなところに行っても、ただの奇抜なバンドに見られた。
お金もなく、公園に泊まったりエンジンの止まった車を押し続けた夜。
でも楽しかった。
一緒にいることが楽しかった。
それから5年、俺たちは夢を達成した。
嵐のような日々だった。
自分を見失ってもhideが支えてくれ、言ってくれた。
「YOSHIKIがいなかったら、今の俺はいない」って。
今、この言葉を何倍にもして返してあげる。
「あのとき出会っていなければ、今の俺はありえない」
Xではあまりに多くのドラマがあった。
あれは決して解散なんかじゃなかった。
ボーカルが辞めて、一時解散とファンに対して責任を取り、2000年までに復活しようと約束した。
hideは誇らしげに言った「俺は今もX JAPANのhide」って。
だったらどうして、俺たちを残して逝ってしまったんだ。
今とてもつらいけど、悲しいけど、最後の言葉を終えなければ。
今まで本当にありがとう。
今までもそしてこれからも、俺が、俺達が、hideを愛する気持ちは変わらない。
メンバーは一生、何があってもX JAPANに変わりない。
ここに誓う。
だからいつまでも見守っていて下さい。

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1998年5月7日 葬儀・告別式 築地本願寺